Johann schenck

 

ガンバに興味がある人にとっては、なじみのある作曲家・・・

しかし、シェンクについては、まだ謎が多く知られざる存在でもある。

 

ヨハン・シェンク (Johann Schenck 1660-1716頃)

アムステルダム生まれのヴィオラダガンバ奏者

Johannes, Jean, Giovanni...様々なペンネームを持つ。

当時ドイツには、フランスとイタリアの作風が作曲に色濃く影響されており、

シェンクはその“混合”をうまく生かし、その後のドイツの作曲家として特に

ヴィオラダガンバの数多くの作品を残していった。

 

 

<生涯>

1696年、Johann Wilhelm(Pfalz選帝侯)の宮廷演奏家として招かれる。

Johann Wilhelm自身、ガンバ奏者で当時有名だったガンバ製作家、ティエルケに

豪華なガンバを作らせている。ドイツのデュッセルドルフの宮廷音楽家として、

遣わされ、数々の作品を世に残している。

1706年、ウィーンへ旅したとき ミュンヘン選帝侯のMax Emanuelに出会う。

1711年 Johann Wilhelmの死後、Carl  Philippが選帝侯になるが、

その時のガンバ弾きとして、シェンクではなく、Gottfried Fingerが招かれる。

56歳にして、仕事を失うことになる・・・。

 

彼の師は、Carolus Hacquart(1640-1701)と言われているが、定かではない。

彼の肖像画によると、7弦のバスガンバで、フランス式の長い弓を使用している。

ある記述によれば、7弦目を、AではなくGに調弦していたと言われている・・・。

 

<音域>

当時、1660年代のドイツやフランスは、比較的高い音域で弾くのが好まれたた。(例えばSt.Colombeはa2) schenck自身もc3まで使用している。

また、Sextakkord(6の和音)がよく好まれ、高い音域でも使われている。

 

<作品について>

1.

Op.2 Tyd en Konst 15 Sonaten für Viola da gamba und B.C. Amsterdam 1688

器楽曲としてかかれたこの曲は、15曲のソナタのよる、イタリア、フランス式の

両方の作風で作曲されている。

 

2.

Op.6 Scherzi Musicali Per la Viola di Gamba con Basso Continuo ad Libtum Amsterdam 1696 

フランス組曲の形 (Aleemande, Courante, sarabande, Gigue)で作曲されている。24,25番におけるSarabandeのVariationen (Doubels);フランス組曲では、

SarabandeのDoubelは見かけず、Gigueの中に普通はヴァリエーションが行われる。

 

3.

Op.8 Le Nymphe di Rheno per due Viole di Gamba Sole Amsterdam

フランス組曲の中に、イタリアのタイトルがついている、いわゆる混合された

作風。ガンバのデュオの作品。

 

4.

Op.9  L’Echo du Danube Amsterdam 1706

Leopold大将のために書かれた曲。

ヴァイオリンのテクニックが組まれ、コレルリの作風に大変よく似ている。

(例 Corelli Op.5)

 

5.

Op.10 Les Fantasies Bisarres de la Gotitte (für Vdg I und II oder B.C. Amsterdam 

このタイトルではるBisarreは、他にも、ヴィヴァルディやマランマレにも

使われている。(例マレ4巻 77番Allemande la Bizare)

参考資料 

Anne, Ottersted : Die Gambe, kulturgeschichte und Praktischer Ratgeber

Fred, Flassig, : Die solistische Gambenmusik in Deutschland in 18.Jh