私が最も好きな作曲家の中で、ブクステフーデは特に外せない。
彼のオルガン曲ももちろんだが、特にヴァイオリンとのトリオソナタは、
圧巻である。
ある楽譜の出版の前書きの中で、私は衝撃的な文章を読んだ。それは、
7つのトリオソナタの作品は、7つの惑星の性質を模した組曲である。という記述である。また、マッテゾンが『完全なる楽長』で言及した7つの惑星の性質を模した組曲(BuxWV251)は今日消失している。とも言われている。
7という数字、そして惑星とは・・・?
・7つの秘跡
・一週間は、7日
・7つの音 (ドレミファソラシ)
・7つの色 (虹の色)
・7つのチャクラ
・7つの惑星
また、ブクステフーデの作品で「われらがイエスの御体」(1680年)
内容は十字架上のイエスの体の7つの部分(足、膝、手、わき腹、胸、心臓、顔)について想いを寄せるというものの中にも7という数字がつかわれている。
実際リューベックには、マリーエン教会というブクステフーデがオルガン奏者として
活躍していた場所に、天文時計がある。
1600年代のケプラーたち天文学者のように、宇宙の完全なる調和が、
この地上でも、存在すると信じたように、
また、ブクステフーデ自身も、宇宙を再現しようとしたに違いない。
ただ、それに関する資料は乏しく、論文のテーマにはならなかったのだが。
しかし、現代の芸術すべてにおいて、私たちはアカデミックな教育は受けるのだが、
大事なところがすべて抜け落ちていると、私は痛感しているのだ。
なぜなら、宇宙の完全なる調和にこそ音楽の本当の意味があるからだ。